一言でクリーニングと言っても様々な方法がありますが、
一般的なクリーニングとは10枚〜20枚くらいの着物を一度に機械に入れて、有機溶剤
(塩素系、石油系、フッ素系、シリコン系) で洗濯する方法をいいます。
基本的に汚れが落ちていても落ちていなくても費用は同じで、とりあえずクリーニングしました。という作業です。その為、落として欲しいシミが落ちていないのに費用を請求されることがあり、トラブルも多くなっています。
例えば、衿に付いたシミを落としたくてクリーニング店に持ってきたのに「シミ落とし+クリーニング(丸洗い)+プレス」の費用を請求され、肝心の衿のシミは「これ以上作業すると生地が傷みます」のタグが付いてきて泣き寝入り。こんな経験ございませんか?
そもそも衿のシミだけ落として欲しいのに、丸洗いする必要は無いのです。当店ではお客様の要望をしっかりカウンセリングすることにより、不要な作業は一切行わず、必要な作業をお客様にご説明し、納得いただいた上で、作業を進めさせていただきます。
当社へのよくある持込例と、その対応例を記載しますので参考にご覧ください。
一度だけ着用して次にいつ着るか分からない。
食事もしてないから食べこぼしなどのシミもないけれど、一応洗って綺麗に保存しておきたい。
衿と袖口の部分を洗い+汗の点検+プレスをかけて仕上げます。汗で変色している場合は漂白後、色をかけて直します。クリーニング(丸洗い)は必要ありません。
結婚式でスープをこぼした。暑い日に大量の汗をかいた。シミになっているので洗いたい。
シミ落とし+汗落し+プレスを行います。この事例もクリーニング(丸洗い)は必要ありません。
そもそもスープや汗といった水性のシミはクリーニング(丸洗い)では全く落ちません。しかし、当社に持ち込まれる着物の多くが「汗をかいたからクリーニング(丸洗い)してください。」というオーダーで、これは知識の無い専門店やクリーニング店がお客様にクリーニング(丸洗い)ばかり薦めるから起きてしまう弊害です。
着物を人に貸した、借りた。
汚れてないけれど、何となく洗っておきたい。長い間、仕舞っておいたらタンスのニオイが付いた。など、一度洗って清潔にしたい。
これはクリーニング(丸洗い)の出番です。
クリーニング(丸洗い)したという事実が欲しい場合や、何となく洗っておきたい。など、着物のクリーニング(丸洗い)とは、どちらかというと気持ちの問題に近いと思います。
当社では、他のお客様の着物と一緒に洗わない「あなたのための丸洗い」というメニューを用意しております。当たり前の事ですが、汚れてしまった着物と、殆ど汚れていないような着物が一緒に洗われることを考えると、この「あなたのための丸洗い」が安心で気持ちの良いものだとおわかりいただけると思います。
裾が黒くなってきた。車のボディの汚れが大量に付いた。
ベンジンを使用して手作業で汚れを落とします。その後クリーニング(丸洗い)しますが、この場合、作業効率を上げるためのクリーニング(丸洗い)ですので、代金は頂きません。言い方を替えれば、当社の都合でクリーニング(丸洗い)しているということです。
暑い日に大量の汗をかいた。シミになっているので洗いたい。(男性の着物、襦袢の場合)
一般的に男性は女性に比べて何倍もの油が出ています。衿などを部分的に綺麗しても、油の多さから落ちきらない油分が着物の繊維を伝って広がってしまうことになります。従って男性物の着物、襦袢のクリーニングに関しては、衿、袖口洗い、汗整理(汗落とし)、クリーニング(丸洗い)、プレスをセットで行うことでしっかりと油を落として、綺麗に仕上げることができます。もちろん油の少ないお客様に関してはクリーニング(丸洗い)が必要ないこともあります。
一概に上の事例だけとは言えませんが、汚れた=クリーニング(丸洗い)ではなく、作業の内容はプロにお任せください。
もちろんお客様の要望に沿った上で、最高のメンテナンスをご提案させていただきます。
きものトータルクリニック吉本ではどの店舗でも作業風景・内容を見ていただけるのも特徴です。技術や経験があるからこそ、お見せすることができるのです。どのように綺麗になるのか、どういう作業をしているのか、是非お客様の厳しい目でご確認ください。