色ヤケ・退色
エルメスバッグのお直し
エルメスガーデンパーティのカビ落とし・しみ抜き・ヤケ直しをしました。
カビを洗い落とし、濃いシミを薄く、ヤケは目立たないように色をかけました。黄ばみやシミが無くなり、お客様に大変喜んでいただけました。
パイソンバッグの日ヤケ直し
パイソンのバッグですが、長年のご使用で日焼けしてしまったそうです。 深い紺色が茶色く退色していましたが、染料で染め直す事で色も風合いも元の状態に戻しました。染料を使わないと革本来の斑(蛇の模様)が消え、風合いも硬くなってしまいますが、染料を革にしっかり染め付ける技術が必要ですので、どこでもできる作業ではありません。
振袖 ヤケ直し
着用後は汗などで湿気ているので乾くまで陰干ししてください。またエアコンの除湿をつけて数時間後に畳むのをお勧めします。陰干しの注意点として、蛍光灯の光やカーテンの隙間から漏れた日光があたると色ヤケします。今回は干した状態で背中一面が広範囲にヤケていました。お客様とお話しして、着用して目立たないように染料で色掛けしました。
訪問着 ヤケ直し
長い間タンスに保管していたため、タンスから出してお部屋に干されていたそうです。しかし、忙しく中々畳む暇ができなかったとのこと。気がつくと前側がヤケておりびっくりして持ち込まれました。地色は綺麗な緑色ですがヤケてしまった所はクリーム色になっていました。拝見した時は正直、直せるか分かりませんでしたが、部分的に染料で色掛けをしてみてお客様に納得して頂いてから作業を進め、ご納得いただける状態まで直すことができました。
日傘の日焼け直し
素敵なデザインの日傘ですが、折れ山や谷の筋に沿ってかなり強く日焼けして退色を起こしている状態でした。染料を擦り込みながら退色を直していきます。
着物と違い、立体のものではありますが、訓練された職人の手にかかれば対象物が立体であっても応用が利きます。
ヒザ辺りが赤茶色になったヤケ直し
緑色の着物のヒザ辺りが、赤茶色に一面なっていました。正座をしてヒザに手を置いていた為、手の汗や皮脂などで変色したと思われます、これは良く有る事例で染料で色掛けして綺麗に直す事ができます。
振袖のヤケ直し
緑系のお着物によく見られる脱色・褪色です。他の色味の場合はまず紫系の色から失われていくため、黄色く色褪せて見えるようになるのですが、緑系の場合は青い色が失われて黄色く見えるようになります。元の色から何が失われて今の色に見えているのかを判断し、必要な分だけ足して差し引き0の状態にしなければ元の状態には戻らず、高度な知識と技術が必要な作業です。
レザージャケットのヤケ直し
革の日焼け直しの例です。染料仕上げの品でしたが、今回は染料だけでは十分に元に戻りませんので、顔料も使用してお直しする提案をいたしました。艶があるか、無いかなど元と合う様に材料をつくり、塗り直しを致します。
退色した黒留袖の黒引き直し
ヤケて色が変わってしまったお着物は、上から色をかけてお直しをします。ヤケている範囲が広い場合は一度反物の状態に戻してから染め直すことで綺麗になります。写真の黒留袖は、ヤケて黒が黄ばんでいましたので、解いて黒を引き直すことで元々の深い黒色にすることができました。
着物のヤケ直し
色が退色したものに染料を染み込ませて元の彩度に戻す作業がヤケ直しと云われる作業です。直す対象によって染料の種類や濃度を調整する必要があるため非常に高度な技術を必要とします。
和装コートのヤケ直し
褪やすい色として紫系統が挙げられます。ヤケている色や範囲・柄など総合的に見ながら、刷毛の使い方・染料の発色の仕方などを調整してヤケ直しをいたします。
卓布のヤケ直し
長時間光に当たることで色が褪せてしまったものはヤケている状態といえます。ヤケて退色した色を染料をかけて補うことで元の色に戻すことが出来ます。
タンス内で発生する
ガスヤケの直し
ガスヤケの直し
タンスにきちんとしまっていても木材から出るガスにより畳んだ折れ山にそって色がヤケてしまうことがあります。また全体のガスヤケが進むとお直しが高額になるケースが多いです。手遅れになる前に気付くためにも、一年に一度はタンスの中をチェックしてみて下さい。
ムートンコートのヤケ直し
ハンガーに吊るしていたら、右肩に直射日光が当たってヤケてしまったムートンコートです。青や紫、緑といった寒色は色が褪せやすいです。ムートンコートの場合は染料を掛けて直します。ただし布素材に比べて革は染料が発色しにくいため、ヤケがきつい場合や鮮やかな色の革は直らないこともあります。
