カビ落とし
男の子祝着のひどいカビ落とし
白いカビが柄が打ち合い、柄の形になってカビが生えています。また友禅柄にもカビ変色の斑点が無数にでています。今回はキレイ直す事が出来ましたが保管の仕方ではまたカビが生えてしまいます。こまめな点検や湿気ていたら陰干しするなど手間のかかる作業をしないとカビがまた生える可能性があります。
黒留袖の八掛のカビ落とし
画像は黒留袖の八掛のカビです。表地はぽつぽつとしたカビでしたが、八掛には面で繁殖してました。カビによる色抜けもありましたので、黒を足して補正致しました。 表地がきれいである場合でも、裏地のカビがきつい場合があります。定期的なチェックをぜひ、してみてください。
半幅帯のカビ落とし
浴衣の時期まで仕舞ってあった半幅帯。胞子が付いている状態のカビをそのままにしておくと変色になり、物によっては完全な仕上がりにならないものがあります。今回は早めのお持ち込みでしたので変色にはなっておらず綺麗に直せました。カビを見つけた時はお早めにご相談下さい。
柄中のカビ変色
着物の上前の写真です。柄の部分に黄色のシミのように見えるものはカビなのですが既に黄色く変色してしまっています。変色しているとカビ落としだけではなく漂白作業も必要になります。カビをはやさないためには、タンスにしまったままにして置くのではなく時折陰干しされる事をお勧めします。
のせ友禅の黒留袖のカビ
のせ友禅は顔料や金属粉を練ったバインダーが生地の上にのっている技法ですので、その部分が湿気を吸い柄の部分からカビが発生することがあります。今回の事例では、柄の中と折り畳んだ反対側にカビが発生してました。全体を洗い、白の部分は変色してましたので修正しました。
ブラックライトによるカビ点検
お着物をしまいっぱなしにするとカビが生えてしまう事があります。注意すべきは、目に見えていないカビです。綺麗だと思っていても無数のカビ変色が浮き出てくることもあります。目に見えないカビはブラックライトを照射すると確認できます。特に喪服や留袖は長く保管されている事が多いので定期的な点検をお勧めします。
帯のカビ
帯は刺繍糸に使用されている少量の糊からカビが発生し、全体が変色してしまうケースがあります。そういった場合は表面だけではなく中の帯芯からもカビが発生している事がほとんどなので芯交換までの作業を行います。
紙から発生するカビ
カビによる被害を防ぐには、少しでもカビが生えにくい環境を保つことが重要です。例えば紙は湿気を吸いやすいため、着物購入後は紋当て紙をはずすことをおすすめします。たとう紙も茶色いシミが出てきたら交換時期です。カビが進行してしまうとお直しにかかる費用も高額になります。ぜひ一度、タンスのお着物をチェックしてみてください。
紋の中のカビによる変色
留袖のカビ落としのご依頼で点検すると紋の中にもカビ変色が出ていることがあります。この場合、紋はカビを落とした後もう一度入れ直す作業を行います。カビが生えたところだけ作業することもできますが、そこだけがきれいになってしまうので紋が黄ばんでいるようでしたら全てやり直すことをお勧めします。
細かいカビ変色直し
黄色の粒々はカビの変色です。全体にもプツプツと似たような黄色いシミがありましたが、衿周りに特に多く出ていました。カビ変色は湿気が原因です。先に紙が湿気る事が多いのでたとう紙に黄色いプツプツとしたシミが浮いてきたら、早急に中のお着物の点検をおすすめします。
和装ショールのカビ落とし
着物だけではなく小物にもカビは発生します。シルクの和装ショールに数多くのカビ変色が出ています。黄色い点々としたシミを漂白の作業でお直ししました。和装小物も虫干しの際には一緒にタンスから出して風にあてる事が必要です。
宝石箱のカビ落とし
カビの一番の要因は湿気です。今回お預かりした宝石箱のように密閉度が高い場所は湿気がこもり、カビが発生しやすくなります。カビは水で洗って落としますが、このような材質のものは大量の水を使って洗えないため、使う水の量を慎重に調節しながら、少しづつカビを落としました。
着物の白カビ落とし
カビは初期状態ですと白カビが表面に出ます。この状態であれば水で洗って、熱処理をすればほぼきれいになります。ただし、そのまま放っておくとカビの生えた部分が黄変ジミになったり、濃い色の着物だと脱色したりします。
カビ落としの注意点
新しいカビは払うと落ちたように見えますが、カビの根はしっかり洗わないと落ちないので、そのままだとすぐにカビが出てきます。また、目に見える以上にカビは全体に回っています。当社ではブラックライトでカビをチェックしていますので見えないカビまで作業しています。
鞄のカビ落とし
古いカビは生地を黄変色させます。その為洗うだけでは見た目の変化がありません。漂白作業できれいにする事は可能ですが、カビ変色は漂白剤が効きにくく、お着物の場合でしたら濃い変色は柄足し等で隠す必要がある事もあります。そうならないように早めのチェックが重要です。
